海外旅行のダイビングでは減圧病に注意

減圧症(DCS)は動脈空気塞栓症(AGE)とともに、潜水による気泡病で、両者を合わせて減圧病(DCI)といいます。DCSは体内に溶け込んだ高圧の窒素ガスが、浮上(減圧)で排泄しきれないと、体内組織に窒素気泡を形成して症状を現します。

DCSにはタイプ1(関節痛)とタイプ2(中枢神経症状)があり、その発症頻度は1:2です。DCSの症状はペイン(関節痛)、マイルド(四肢の痺れ)、シリアス(四肢の麻痺)、シビア(呼吸・循環症状)までさまざまです。なお、AGEは浮上中の肺の過膨張による気圧外傷で、空気が動脈血液中に入り脳空気塞栓症、胸腔入り気胸、縦隔に入り縦隔気腫など、いずれも重篤な疾病です。原因のほとんどはダイビング中のパニックや急速浮上により起こっています。

初期症状だけでは、タイプ2のDCSは同様な中枢神経症状を起こすAGEとは区別が困難です。治療(高圧酸素治療)を優先する考えから、潜水医学会では重症度分類が用いられるようになっています。近年はダイビング人口の増加にともない、重篤な症状を訴える旅行者が増えています。特に何らかの持病がある方は、旅行する際にアラートカード(持病やアレルギー等の命に関わる医療情報をまとめたもの)を作成し、万が一のときに救急隊や医師がすぐに状況を把握できるように、財布などに入れるようにしておきましょう。

ダイビングで注意したいのは、ダイビング後の航空機の搭乗が、2次減圧によるDCS発症リスクであることが良く知られているという点です。ダイビングの後に航空機に搭乗すると、キャビンの気圧が低下するため、実際に海に潜った深度より深く潜ったと仮定しなければならないことに加え、海中の圧力は10mごとに1気圧(760mmHg)増加しますが、高所の気圧変化率は高度が上がるほど空気が圧縮されるので一様ではないということもあって複雑です。

ダイブコンピューター(DC)がレジャーダイビングで使われるようになっても。高所移動の海面待機時間を正確に指示する機能はありません。さらに、DCは数学的モデルからダイバーの窒素ガスの出納を計算しているのですが、ダイバーの個々の体や組織の特質は考慮されていないこと、また航空機内の環境条件(温湿度、酸素濃度)も考慮しなければならないので、ダイビング後の航空機登場のリスク評価は非常に難しくなっています。

ロングフライトによるDCS発症はキャビン内の低湿度、アルコール摂取もDCS発症誘引となります。ロングフライトによるDCS発症は、年齢、体調、既往歴、キャビン内の環境などを考慮して、旅行者は最大限の安全策を取らなければなりません。

  

スポーツ選手とドーピング問題

4年に一度のスポーツの祭典オリンピックでは、残念ながら筋肉増強剤などの薬物を不正に使用するドーピングを行う選手が後を絶ちません。ドーピングで使用される薬としてはホルモン剤が有名ですが、エリスロポエチン製剤も注意されています。

エリスロポエチンは、貧血や、耕地での生活などによって、血中の酸素分圧を低下し酸素濃度が低くなると分泌される生体物質で、その造血作用により血中酸素濃度を正常に戻します。

マラソンなどの競技を行うスポーツ選手がよく高地トレーニングを行いますが、あれは低い気圧の下でトレーニングをすることで低酸素状態を生じ、身体が赤血球をたくさん作るようになるため、持久力が高まるためです。エリスロポエチン製剤を投与すると赤血球の増産が行われ、高地トレーニングと同じ効果が得られるため、ドーピングの薬と使用されてしまうのです。

酸素濃度が低い環境で、苦しいトレーニングを積み重ねた選手にしてみれば、高地トレーニングをあまりせずにドーピングによって持久力を高める選手がいるということはたまったもんじゃないでしょう。

  

スポーツ中に最も多い手の怪我

スポーツ競技種目別に最も発生しやすい障害ワースト10を見てみると、野球では手指部の骨折が一番多く、以下、足関節の捻挫、手指部の捻挫、さらに6位にも手指の打撲となっており、圧倒的に手指の怪我が多くなっています。サッカーでも障害発生のワースト10位のうち3つが、バスケットボールではワースト2位と3位が手指部の怪我となっています。

手首や手指、ひじの関節は、その機能を果たすために精巧な作りになっており、運動系と感覚系の神経が集まっているため、ケガや障害が起こりやすい部位といえます。なかでも、ボールがあたったり、転んだときに手をつくなどして発生する突き指や、手首関節の手根骨折、ひじの脱臼などが良く起こります。

つき指はスポーツにはつきものといってもいいくらい多い怪我ですが、軽んじてはなりません。DIP、PIP関節(手の指の1番目と2番目の関節)の靭帯が切れたりすると、指全体が晴れて「つち指」になり、さらには脱臼や骨折に至ることもあります。痛みの程度や腫れ具合、変形状態などを確認し、早めに医師の診断を受けることが大切です。

  

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